簡単に動画の背景を透過できる方法とソフト・アプリまとめ(PC/スマホ)
動画の背景を透過できれば、自分の姿やイラストの後ろでゲーム画面を流したり、ちょっとしたトリック映像を作ったりすることもできます。動画の背景を透過させるには、対応する機能をもった動画編集ソフトを使うことが必要です。本記事では、パソコン( PC )やスマホで簡単に動画の背景を透過できる方法やソフトについて解説します。
Part1:パソコンで簡単に動画の背景透過を実現する2つの方法
パソコンで動画編集を行う場合、背景を透過させる方法としては大きく分けて次の 2 つになります。
・クロマキー合成を使う方法
・AIによって対象以外(=背景)を切り抜く方法
どちらの方法を利用するかによって、準備するものが違ってきます。それぞれの方法や、対応した動画編集ソフトについて見ていきましょう。
方法1:クロマキー合成で動画背景を透過する方法(グリーンバックを使用)
「クロマキー合成」とは、動画や画像の編集において、素材から特定の色をすべて透過させ、下レイヤーの素材と合成する技術です。動画や画像を編集するためのソフトの中には、このクロマキー合成ができるものも多くなっています。
クロマキー合成を行う場合、クロマキー合成を行う前提で映像を撮影する必要があります。クロマキーでは、動画や画像の「特定の色をすべて」透過させるため、残したい部分まで透過しないように注意する必要があります。
また、クロマキー合成を行う場合は、対象を識別しやすいように青や緑の背景(ブルーバック、グリーンバック)で撮影するのが基本です。専用のスクリーンも市販されていますので必要なら購入するとよいでしょう。
それでは、動画編集ソフトを使ってクロマキー合成を行う手順を見てみましょう。
・「Wondershare DemoCreator」でのクロマキー合成の方法(グリーンスクリーン)
「Wondershare DemoCreator(以下DemoCreator)」は、画面録画・動画編集機能が豊富に実装している多機能で使いやすい動画作成ソフトです。グリーンスクリーンやクロマキー合成機能を対応しているので、背景を透過させた動画も簡単に作成できます。
DemoCreatorで動画の背景を透過させる方法は次のとおりです。
Step1. 動画編集モードを開き、素材をインポートする
背景になる素材を一番下のトラックに、背景を透過させたい素材を上のトラックに配置します。
Step2. エフェクトから「グリーンスクリーン」を選んで適用する
「エフェクト」から「グリーンスクリーン」を探して選択し、背景を透過させたい動画や画像にドラッグ&ドロップで適用します。DemoCreatorでは、緑以外にも色を選択できますので、動画の背景の色を見て透過させる色を決定することも可能です。
これで、背景の緑色の部分が透過して、下レイヤーの素材が表示されました。
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・「Adobe Premiere Pro」でのクロマキー合成の方法(Ultraキー)
「Adobe Premiere Pro(以下Premiere )」は、動画編集ソフトの中では定番とされているソフトで、豊富な編集機能と作業効率アップのための工夫が盛り込まれています。プロの利用者が多いことで知られるソフトですが、やや高価で扱うには知識が必要となるため、初心者にはやや敷居が高いかもしれません。
Premiere でクロマキー合成を使い、動画の背景を透過させる方法は次のとおりです。
Step1. プロジェクトを開き、素材を読みこむ
素材を読み込んだら、タイムラインに配置します。背景にする動画や画像の上のトラックに、背景を透過させたい動画や画像を配置してください。
Step2. 「エフェクト」ウインドウで「 Ultra キー」を探して適用
「エフェクト」ウインドウを表示し、検索窓に「 Ultra (キー)」と入力して検索します。見つかったら、対象のクリップにドラッグ & ドロップで適用します。
Step3. エフェクトコントロール」ウインドウで透過させる色を選択
次に「エフェクトコントロール」ウインドウで透過させる色を選択します。 Ultra キーの設定項目から「キーカラー」を探し、スポイトのアイコンから透過させたい色を選択してください。
これで、次のような背景を透過させた動画を作成できます。
方法2:AIツールを使った動画編集機能で背景を切り抜く方法
背景を透過させる方法の2つめは、AIツールを使って対象を自動認識して、その他の部分を切り抜く(=透過させる)という方法です。この方法を使うと、素材がグリーンバックやブルーバックでない場合でも背景を透過させることができます。
ただし、背景の透過に使えるような AI ツールが実装されているソフトはまだ少ないです。次のソフトを利用すると、簡単な手順で背景を透過させた動画を作ることができます。
・「Wondershare DemoCreator」のAI 顔認識ツールで背景を透過させる方法
DemoCreatorは動画編集専用のソフトではありませんが、高度なAI顔認識ツールを使用できます。この技術を応用し、 Web カメラの映像にアバターを同期させたり、バーチャル背景で簡単に背景を変えたりといった機能も備えていますので、機会があればぜひ実際に使って試してみるとよいでしょう。
以下、DemoCreatorのAI顔認識ツールで背景を透過させる手順です。
Step1. 素材をインポートする
クロマキー合成の場合と同様に、背景にする画像や動画は下のトラックに配置します。
Step2. 「エフェクト」から「顔認識」をドラッグ&ドロップして適用
メニューの「エフェクト」で、「顔認識」を探して背景を透過させたい動画クリップにドラッグ&ドロップします。 AI が人物を認識してそれ以外の部分を切り抜くため、下レイヤーの素材と合成された画面になります。
動画を簡単に編集するソフトおすすめ
・「Wondershare Filmora」の「AIポートレート」で背景を透過させる方法
Wondershareの動画編集専用ソフト「FIlmora(フィモーラ)」でも AI 顔認識ツールがあります。 Filmora は DemoCreator のように画面を撮影することはできませんが、動画編集のための機能が非常に豊富で、高度で効率的な編集を可能にしてくれます。動画編集ソフトの中でもコストパフォーマンスの高さから、初心者から専門家まで幅広い人気を有するソフトです。
FilmoraのAI ポートレート機能で背景を透過させる方法を見てみましょう。
Step1.素材をインポートする
Step2. エフェクトからAIポートレートの「セグメンテーション」を適用
「エフェクト」メニューから「 AI ポートレート」 > 「セグメンテーション」を選択して、対象にドラッグ&ドロップすると背景透過を適用できます。
FIlmora の AI ポートレートは、他にも人物の境界線を作成したり、人物の周囲を光らせたりといった使い方もできます。動画作成だけでなくサムネイル作成にも使えますので、興味のある方はぜひ試してみてください。
Part2:スマホで動画背景を透過する方法(無料)
スマホで動画編集を行って背景を透過させたい場合、クロマキー合成を使うことになります。無料のアプリだとしても十分な機能を持っているものもありますが、撮影時間に限度があるものや、出力時にウォーターマークが表示されるものがありますので注意しましょう。
以下、スマホで動画背景を簡単に合成できる無料アプリから、 おすすめアプリと使い方を簡単に紹介します。
動画編集アプリ「iMovie」で背景透過が可能
「iMovie」は iPhone に標準で入っている動画編集アプリですので、インスロール作業も必要ありません。使い方も簡単で情報も多いアプリなので、初心者でも簡単に使うことができるでしょう。
iMovieで背景を透過させる手順は次のとおりです。クロマキー合成を使用しますので、グリーンバック、ブルーバックの素材が必要です。
Step1. タイムラインに素材を追加
iMovieを開き、素材を追加していきます。グリーンバックの素材は上のレイヤーに配置しましょう。
Step2.「ビデオオーバーレイ設定」で「グリーン/ブルースクリーン」を選択
背景を透過させたい素材を選択し、エフェクトメニューの「ビデオオーバーレイ設定」から「グリーン / ブルースクリーン」を選択すると、背景が透過されて下レイヤーが見えるようになります。
Part3:動画背景の透過はクロマキー合成だけでなくAIツールがあると便利!
背景を透過させることで、複数のレイヤーの動画や画像を表示し、オリジナリティの高い動画になります。PC、スマホともに、クロマキー合成ができる動画編集ツールが増えているため、背景を透過させるのは難しくありません。しかし、グリーンバックの映像や写真の準備はそれなりに手間もかかり大変でしょう。
Wondershare DemoCreatorのように、AIで顔認識ができるソフトを使えば、素材を気にせず、背景の透過が簡単にできます。楽に背景を透過させたい方は、一度試してみてはいかがでしょうか。
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